大谷翔平が通訳・水谷に騙された事件は、他人事とは
思えない。
わしも若い頃から騙されたことは何度でもあるが、
この歳になってもまだ騙される。
だからわしは猜疑心が強い。
「信頼」を裏切られることほど辛いことはない。
はらわたが煮えくりかえる。
ほんのすぐ傍で何十年も支えてくれた者くらいしか、
わしが信頼して油断する者はいない。
自分をなぜ信頼しないんだ?と言われたって、相手の
過去や、生活実態や、価値観が分からないままで、
信頼なんて出来るはずがない。
独善的で、自分本位に考える奴は、自分は騙される方で、
騙す方じゃないと主張するが、自分を客観的に見る目が
乏しいだけである。
自分を疑うことも必要だろう。
わしは自分の快楽のためには、基本的に嘘つきだから、
あえて嘘つくべき状況と、絶対に嘘をつかない状況を
弁えている。
わしは正直者ではない。
嘘はつかねばならぬと思っている。
わしの妻は、わしを信頼する理由として、「ゴッド・
ファーザーだから」という理由を上げる。
わしもコッポラの「ゴッド・ファーザー」は好きで、
妻の感性の極道っぽさを信頼している。